漫画家志望者が上京する意味

一昔前、漫画家は東京に住むのが当たり前でした。
それは東京に出版社が集中しており、

シビアな締切の中、原稿をできるだけ早く渡す都合上、
物理的に近くに作業場を構えるのが効率的だからです。
漫画家志望者も漫画家の先生に作品を見てもらったり、
アシスタントとして修行する上で皆上京していきました。
しかし、今やインターネットが発達し、
どこに住んでいようがデータ化された原稿を瞬時に送ることが可能となっており
実際、地方在住の漫画家は多いです。
漫画家志望者にとってもデビュー方法が多様化しているので
東京に住む必然性は無くなったと言えます。

これは今も昔も変わらないですが、
何の見込みもない漫画家志望者が上京しても
高い家賃や税金が割に合わず失意のうちに帰郷ということにもなりかねませんし、
実家でコツコツと作品を書き溜めて漫画賞に応募したり、
なんかの折に東京に出向いて出版社をめぐり、
出版社の方から上京を勧められてからの方が堅実な戦略に思えます。
しかし、私は実家を出て現在マンガ家を目指して東京に住んでいます。
時代に逆行しているようですが、これには個人的な事情があります・・・
(詳しくはプロフィールカテゴリ参照)
実体験として上京の意味性を考えてみると、
必要ではないが、チャンスは増えると思います。

まず出版社が東京に集中しているという点は今も昔も変わりありません。
なので持ち込みを考える場合、編集者とコンタクトが取りやすく、
地方在住よりも関東在住の方がアドバンテージがあります。
そしてプロアマ問わず漫画家人口が多いので
自分から情報発信をし続ける限り、
何かのタイミングで仕事の依頼が舞い込んでくる可能性があります。
私は昨年、ブログを通じて漫画原作者の方と知り合い
共同で作品を作りネームの持ち込みから漫画賞の投稿まで行いました。
これはネットの恩恵ですが、地方在住であればできなかったかもしれません。
この事例でも分かるとおり、
上京するにせよ、地方で漫画家を目指すにせよ
一番大事なのは行動することです。
自分の創作活動を世の中に発信し続けなければ意味がありません。

後は気持ちの問題と言えます。
「これから本気で漫画家を目指すぞ」という
自分の意識の切り替え、覚悟を決める意味での上京。
東京という日本の首都に夢と希望があると信じられる限りは効果があります。
こうした地方格差はこれから少なくなっていくでしょうが、
まだまだ上京する意味は完全に失われていないように思います。
漫画家デビューの大半は運であるとも言われます。
抜群に絵が上手いなどの飛び抜けた才能がない場合、
運を自ら引き寄せるという事も
漫画家志望者にとって一つの戦略であると言えるのではないでしょうか。
もちろん東京に住むだけの経済力は
最低限確保するということも付け加えておきます。

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