こんにちは。
最近いろいろサボリ気味の漫二郎です(;^ω^)
今回は絵の話です。
漫画家によっていろいろな絵柄がありますが、
漫画家志望者も、やはり皆それぞれ何かしらの影響を受けた
漫画、漫画家がいますよね?
自分も小学校時代から「うる星」の影響を受けていました。
しかもちょっと泥臭い連載初期~中期の絵柄が好きでしたw
当時流行していた絵柄とは程遠いばかりか、
80年代などの古い作品ばかり見て、
最近の流行作品を避けていたこともあって、
絵柄が固定化されて、いつも「絵が古い」と言われ続けてきました。
これはいつしかコンプレックスとなっていました。
好きな絵柄もあれば嫌いな絵柄もあります。
自分はいわゆる萌え絵というのが苦手でした。
ガンダムの富野監督も大きい目が嫌いだったそうで
現実で女に振り向いてもらえないオタクの
こっちを見て欲しいという視聴者の願望の意識、
はたまた逆で見てもらいたいという絵描き側の意識
が萌え絵にはあると語っています。
ガノタであり富野信者である自分は
すっかりこの発言で萌えブームという社会現象が腑に落ちてしまい
必要以上に大きい目やフェティッシュなデザインが
読者に媚を売っているような感覚を覚えていました。
「ガンダム」と「らきすた」で比べれば分かり易いですが、
世界観やストーリー展開が面白い(SF)のと
キャラクターそのものが面白い(萌え)のとでは作品の作り自体が変わります。
もちろん両方重要ですが、キャラとストーリーのバランスの中で
個人的にはストーリーの比重が大きかったということに過ぎません。
こういった事から徐々に絵に関する興味も低下していたのかもしれません。
画塾に入って絵の興味が再熱し、
最近の売れ線要素を少しずつ許容し始めましたが、
大幅な絵柄の変更は何か今までの自分を否定するようで嫌でした。
しかし芸大受験を乗り越え、志を同じくする人と触れ合うことで
もう一度正面から絵柄とは何か追い求めるようになりました。
大学のマンガ論の講義のグループワークで
「最強の絵柄」をテーマに研究発表を試みたことがありました。
「古い」「新しい」を超えて
老若男女全てに受け入れられる絵柄はどんなものか?
このプレゼンのために
コロコロやジャンプ、ヤンジャン、ちゃお、花とゆめ、クッキーなど
様々な年齢、性別が対象のマンガ雑誌を買って比較などをしていったのですが、
途中で何か不毛なことをしているようで仕方がありませんでした。
発表では、その成果まで伝えることができなく
消化不良で終わってしまいましたが、
仮定していた個人的結論は
「そんなものは何の特徴もないものになるだろう」というものでした。
そういえば同じようなことを萌えキャラでやって
「最強の萌えキャラ」を作るなんていう動画もありましたが、
やはりそれもどこにでもいるモブキャラになってしまったという結果でした。
その授業の締めに先生に
「そんなことをしなくても普通に万人に受け入れられる絵があるでしょ」
と言われました。
それは新聞の四コママンガや
取扱説明書などに描かれているキャラクターだと…
自分は「はっ」と思わされたのと同時にすごく納得させられました。
なんでこんな簡単なことに気づかなかったのだろうと悔しくも思いました。
自分が上記の個人的悩みや
商業誌的な側面からずっと研究していたので、盲点でした。
でも自分の研究の方向としては間違ってなかったと確信できました。
たしかにそういう絵柄は誰が見てもわかる様に
非常に簡略化、そして余分な特徴は省かれています。
いわば足し算ではなく引き算のデザインですね。
絵柄というのは見てもらう対象によって好みも分かれるわけだから
万人に受け入れられる絵柄を描こうということ自体が
どれだけ愚かで無駄な労力だったかと(^^;)
まぁ、当然と言えば当然なんでしょうけどねw
しかしながら、
あの宮崎駿も絵柄自体は当時から「古い」と言われていましたし、
スタジオジブリが幅広い世代から支持を受けるのは、
意外と簡素でクセのない絵柄にあるのかもしれません。
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