作家性と地方特性

漫画を描くときの環境はどうしてるでしょうか?
手塚治虫は必ずレコードをかけたといいます。
作業用BGMを流す人、逆に全く音楽を流さないという人もいるでしょうが、
作業に集中できるように、
できるだけ快適な環境を整えたいと考えるのが普通ですね。

漫画はデスクワークなので暑さは我慢できても
寒さはどうしようもないという事があります。

しかし、雪国出身者の漫画家の多さが時々話題になります。
特に北海道と新潟

北海道出身者は安彦良和、今敏などアニメ関係者から
寺沢武一、島本和彦、藤田和日郎、ゆうきまさみ、
藤沢とおる、板垣恵介、荒川弘
などそうそうたるメンバー。
初音ミクも札幌出身ですね。
新潟出身者も赤塚不二夫、寺田ヒロオというトキワ荘メンバーから、
高橋留美子、水島新司、聖悠紀、魔夜峰央、和月伸宏、小畑健など負けてない。

寒くて外で遊べないので温かい部屋にこもって漫画を描く機会が増えたため
漫画のレベルが上がったと言われているそう。
新潟のお隣、富山県も藤子不二雄、まつもと泉、細田守、河森正治など
有名なマンガ家さん、アニメーターが多いですし、
アニメスタジオ、ピーエーワークスもあります。
東北も石ノ森章太郎、大友克洋、荒木飛呂彦、冨樫義博を輩出していますね。

言ってることが違うじゃないかと言われそうですが、
僕も三年間北海道にいましたが、
雪国では防寒対策がしっかりしているので、かえって部屋の中は暖かいのです。
一方で越した東京や実家の京都などは
やはり雪国に比べると建物の作りからして
隙間風やら冷気の侵入率が高い気がします。
東日本出身者は西日本出身者に比べて漫画家が多いというのは
東京に出版社が集中しているという物理的問題以外に
こういうカラクリもあるのではないかと思ってしまいます。

外から見ると羨ましく見えますが、雪国はあまり声を大にして宣伝しません。
一方でまんが王国を自称して町おこしを行ってるのが
高知県と鳥取県です。
高知県出身者はやなせたかし、横山隆一、西原理恵子など、
鳥取県出身は水木しげる、青山剛昌、谷口ジローなど
全国でも突出して漫画家が多い都道府県です。
高知では高校漫画サークル日本一を決定するまんが甲子園を毎年開催し、
鳥取もマンガサミットを開催するなどライバル関係にあります。

しかし、我が関西も侮れない
手塚治虫(大阪)や横山光輝(兵庫)も近畿出身だし、
さいとうたかお(大阪)のいた劇画工房の前身だって関西漫画同人だし、
士郎正宗は大阪の出版社から世に出ました。
漫画史の節目には関西出身者がいるとも言えます。
ガイナックスの前身DAICON FILMも大阪芸術大学など関西の学生が中心でした

まぁ関西と大枠で囲いましたが、
京都に絞ると急に見劣りしてしまうのも事実…
みなもと太郎、ひさうちみちおぐらい?
CLAMPも半分は京都だっけか?永野護は舞鶴ですしね・・・。
日本唯一のマンガ学部のある京都精華大学
京都国際マンガミュージアムもあって漫画運動の一大拠点であり、
盆地で冬もかなり寒いんですけど住居環境含め保守的というか・・・
私の場合宇治出身なので京都人扱いもされないかもですが・・・
一応、京都アニメーションは宇治です!任天堂の工場もあります!

ここまで書いといてアレですが、
漫画家の成りやすさについてはどこ出身であろうが関係ないと思いますw
ただ、北海道出身作家は個性的な作家が多かったり、
新潟出身作家はメインストリームで安定的に活躍する作家が多かったり、
作家性と出身地方の関係はあると思います。
『お前はまだグンマを知らない』『三成さんは京都を許さない』など
最近こういった地方ネタを売りにする漫画が増えていますが、
そこまで直接的でなくとも、
経験やアンデンティティーは漫画家の最大の武器なので、
出身地方の特性を最大限生かすことに越したことはないのです。

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